自己破産
裁判所を介して支払い義務を免除してもらい、生活の再建を図ります。
「借金の額が大きすぎて、どう頑張っても返済の目処が立たない」
「任意整理を検討したが、収入に対して借金が多すぎる」
そのような場合に、国が法律で認めた生活再建の手段が「自己破産」です。
自己破産は、借金をゼロにして、新しい人生をスタートさせるためのポジティブな権利です。
自己破産とは?
自己破産とは、裁判所に「支払い不能」であることを認めてもらい、原則として全ての借金の支払い義務を免除(免責)してもらう手続きです。
「任意整理」は借金を減らして返済を続ける手続きですが、「自己破産」は返済そのものを無くす手続きです。どうしても返済ができない場合の最終的な解決策となります。
自己破産の最大のメリット
借金がすべて「ゼロ」になります
最大のメリットは、支払い義務がなくなることです。毎日の督促の電話や、返済日に怯える生活から完全に解放されます。
※税金や養育費など、一部免除されない支払いもあります。
自己破産のデメリット
借金をゼロにする強力な効力がある分、いくつかのデメリットも存在します。しかし、生活に必要なものまで全て奪われるわけではありません。
主に影響があるもの
- 高価な財産の処分:マイホームや査定額が20万円を超える自動車、99万円を超える現金などは、換金して債権者に配当されます。
- 職業の制限(資格制限):手続き期間中(数ヶ月〜半年程度)は、警備員、保険外交員、士業など、一部の職業に就けなくなります(手続き終了後は復帰可能です)。
- 信用情報機関への登録:いわゆるブラックリストに載り、5年〜10年程度は新たな借入ができなくなります。
- 官報への掲載:国の機関紙である「官報」に氏名住所が載りますが、一般の方がこれを見ることは稀です。
よくある誤解について
自己破産には多くの誤解があります。正しい知識を持つことが解決への第一歩です。
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家財道具はすべて没収される?いいえ。テレビ、冷蔵庫、洗濯機、ベッドなどの生活必需品は原則として処分されません。今の生活環境を大きく変えずに済むケースも多いです。
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戸籍や住民票に「破産者」と載る?いいえ、載りません。選挙権がなくなることもありませんし、子供の就職や結婚に法的な影響が及ぶこともありません。
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会社や近所にバレてしまう?弁護士が介入することで、債権者からの連絡は全て弁護士宛になります。会社から借り入れがある場合などを除き、周囲に知られずに手続きを進められる可能性は十分にあります。
解決までの流れ
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弁護士へのご相談・受任
借金の状況と資産状況を詳細に伺い、「本当に自己破産が最適か」を慎重に判断します。ご依頼と同時に取り立てをストップさせます。
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申立の準備
裁判所に提出するための書類(家計簿や通帳のコピーなど)を作成します。ご本人様の協力が必要不可欠なステップです。
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裁判所へ申立・破産手続開始
書類が整い次第、裁判所に申立を行います。裁判官との面接が行われる場合もあります(弁護士が同行します)。
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免責許可の決定
裁判所から「借金の支払責任を免除する」という許可(免責許可決定)が出ます。この決定が確定することで、借金の支払い義務がなくなります。